Episode12 クラスメイト全員に謝罪をしろ

私はその後も頑張って心療内科で薬を処方してもらいながら単位を落とさないように学校へ登校しましたが、身体が持たなくなってきてしまい、母と一緒に主治医に当時の私の体調と通信制の高校へ転校したい旨を父に伝えていただくことになりました。

父も病院からの説明はすんなりと聞き入れ、不登校になったときからずっとお願いしていた通信高校へ高校3年生から転校することがやっと決まりました。

主治医がどんな説明を父にしてくれたのかは知りませんが、病院から帰ってきた父は私にその時だけは「頑張った」と言ってくれました。

一瞬だけ安堵の涙が流れ出ましたが、父が怒鳴ってみたり優しくしてみたりする一貫性のない態度は私を混乱に陥れることばかりでした。

それからしばらくは家の手伝いなども免除され、落ち着いて休める時間が増えたのですが、そんな矢先。三学期も終わり、終業式を迎えた当日のこと…。

私は単位を落とさないように学校へ登校したこと以外ほぼ不登校でしたが、最後くらいはけじめ付けとして恥ずかしがらずにちゃんと学校へ行こうと自分の意思で登校の準備を進めていたところでした。

しかし…。

父はいきなり私が終業式に登校することに猛反対し始めました。

どうやら、不登校で時々登校してくる私にクラスメイトや友達は気を遣っただろう。

そんなお前に終業式に出る資格はない。

そう言い出したのです。

学校へ行けと言ってみたり、行くなと言ってみたり、父の機嫌が目まぐるしく変わるので、私はどういった行動が父にとっての地雷なのか本当にわかりませんでした。

祖父と母は「せっかくさやかが頑張って学校へ行こうとしてるのに…。」と、私の意思を尊重してくれて、父の言動にやるせなさを隠せずにいました。

そうして私がぐずぐず泣いていると今度は「早く学校へ行ってこい!」と、父の罵声が飛びました。

せっかく自分の意思でけじめを付けに行こうと思っていたのに、父によってぐちゃぐちゃになった気持ちのまま、泣きながら車に乗り込んで学校へ行く羽目になりました。

流石にクラスメイト全員に謝罪する必要はないだろうと思ったので、親しくしてくれた友達に一言謝罪を述べましたが、友達はきょとんとして普段と変わらず明るく接してくれました。

最後の最後まで父によって掻き乱され、とんだ災難な終業式。

そして私はいわゆる普通の学校生活とさよならをしたのです。